独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

English
目的別

第28回  教務主事 武藤義彦

宇部高専同窓生の皆様へ

宇部工業高等専門学校
教務主事 武藤義彦

 

「平成」という元号にて迎える新年が最後となり、平成の約30年間を振り返ると社会、高専卒業生に求められる能力、そして教育も大きく変化してきました。

卒業・修了、そして就職という観点では、専門知識・技術を幹としつつ、いわゆる社会人基礎力を学生時代にどれだけ身に付けたか、あるいは身に付けるための環境に自らの身を置いたかといった経験が重視されるようになりました。例えば、社会人の皆様はコミュニケーション能力の重要性を実感としてお持ちかと思います。そして、学生時代(就職活動を行っていた時期)に思い描いたコミュニケーション能力が社会に出てみるとその定義が異なっていることを知り、社会人1年目にて認識の切り替えを経験されたことでしょう。一方、学校という場では同世代、かつ仲の良い集団でのコミュニケーションが大部分であり、社会人が生きる社会とは大きな隔たりがあります。限られた時間という制約の中で自身の意図を分かりやすく、かつ説得力をもって説明でき、さらに相手の意図を的確に掴み取る能力が一般的なコミュニケーション能力です。そのためのツールは口頭やメール、チャット等であり、コミュニケーションの対象は顧客・上司・部下・同業他社のエンジニア等、様々です。また、置かれた環境によっては英語や中国語のスキルも要求されます。

以上のコミュニケーション能力に加え、分野横断的能力や創造性を含む課題解決力を身につけるためには多様な環境に自らを晒す経験が必要です。本校では、近年、大学教育再生加速プログラム「長期学外学修(ギャップイヤー)」、KOSEN 4.0 イニシアティブ「UBE方式:グローバル高専生育成を目的とした次世代型国際交流の確立」「KOSENスポーツ」といった教育系の補助金を獲得し、新たな取組を進めています。すなわち、学術交流協定校における語学研修・海外研修、短期留学生の積極的受け入れと地域展開、国内・海外での長期インターンシップ、地域課題解決にフィーチャーした地域教育、工学技術とスポーツを融合したエンジニアリング活動等が進められており、学生自身が自らの興味・関心に基づいて様々な活動に参加し、スキルを磨き、自己実現が可能となるよう、舞台を整えています。これらに全ての学生が参加している訳でありませんが、語学研修・海外研修参加学生数が年間100名を超え、また4週間の長期インターンシップにチャレンジする本科生が着実に増加しており、学生の意識の変化は30年前、いや10年前とは大きく変化してきたと実感しています。

学校名が表すように専門性を重視する本校では(大学も同様ですが)、ややもすると自らの専門領域のみに囚われがちです。しかし、卒業・修了後の社会は異なります。自らの専門性を高めつつ、他分野・領域の人々とコラボレーションし、知らず知らずのうちに分野横断的能力を獲得できる教育を実現しつつ、社会にとって有意な人材を育成できるよう、本校の教育も変化し続ける必要があります。

末筆ではございますが、卒業生・修了生の皆様におかれましては、帰省などの折には是非、本校にお立ち寄り下さり、近況などを教えて頂けると幸いです。皆様が様々な分野にて益々ご活躍されることを心より願っております。

このページを印刷する

ページ上部へ