明けましておめでとうございます。年の初めに当たり,教職員の皆様に謹んで新年のお祝いを申し上げます。ご家族のご健勝とますますのご繁栄をお祈りいたします。
昨年は3月11日の東日本大震災とそれに伴う原子力発電所事故で,当たり前に感じていた“わが国のライフラインは安心安全”との思いが音を立てて崩れました。私どもの自然に対する理解が未熟であることを思い知らされました。また,各地で豪雪や台風などによる被害も相次ぎ,被災された地域とそうでない地域で大きな不公平感が生まれた1年でもありました。
昨年を象徴する漢字は「絆」でした。不幸な災害からの痛手を地域一丸となって乗り越えようとする人々の連帯感が思い浮かびます。被災地もそれ以外の地域の人と社会も,それぞれの地域に対する自己責任を意識し前を向いて一歩ずつ進んでいくべき年だと思います。
今年の干支は壬辰(みずのえ・たつ)です。辰年の特徴は正義感と信用だそうです。私どもは,昨年度,宇部高専の理念として,“挑戦し,探究し,高く羽ばたく 宇部高専”,を策定しました。教職員一丸となって,本校のプレゼンスが昇り龍のように向上することに励み,それが実現する年になることを願っております。
今後の展開に関して幾つかお話ししたいと思います。
(1) 創立50周年記念事業について
記念事業として,国際交流活動およびキャリア教育の推進,卒業生とのネットワ−ク構築,記念誌の刊行および資料室の設置,本年10月10日予定の記念講演会と記念式典,の4項目を企画いたしました。特に,最初の二つは,今後の学生教育に関するソフト面での環境整備を意識したものです。これらの事業実現に向けて改めてご支援ご協力をお願いいたします。
(2) これからの50年を見据えた宇部高専の教育
技術の高度化,グロ−バル化への対応と言われますが,要は自分で考え行動できる人間を育てることに尽きると思います。科学技術に関わる知識だけでなくよく言われる「人間力」が問われるわけで,倫理意識・倫理観に基づいた科学技術を身につける教育が求められています。地域のニ−ズを踏まえた教育,大学との違いを意識した教育の実質化と高度化,モデルコアカリキュラム,学科の再編と混合クラス編成,本科と専攻科の接続性の強化(教務主事の専攻科長兼務),等を念頭に,次の中期計画に向けた検討を始めなければなりません。これと同時に,通常の学生指導において,学生・保護者から手当の良い学校との評判を取り,彼らに本校の広告塔になってもらうことが肝腎です。
(3) 地域連携・社会連携について
これからの高専は,「地域に役立つ」を,これまで以上に意識する必要があります。地域社会との交流の窓口である地域共同テクノせンタ−の役割,教育研究推進と地域交流推進の2本柱を充実させることが重要です。例えば,本校の協力会でもある宇部高専テックアンドビジネスコラボレイト(宇部高専T&B)と本校との関わりを密にするとともに,地域社会のニ−ズ・本校への要望を捉える有機的な関係に進化させる必要があります。
(4) 明るいキャンパス(働きがいのある職場)づくり
タフな学生を育てるには教職員もタフでなければなりません。また,仕組みがどうであれ,組織の力はそれを動かす人に依存します。教職員の連帯感・一体感,情報の共有化(コミュニケ−ション)と連携,が不可欠です。運営に関しては,意見箱への投稿もあります。良いご指摘ご提案であり,もっと真意をお尋ねしたいと思うのですが,残念ながら匿名です。煎じ詰めると意思の疎通が図れていない・コミュニケ−ション不足のご指摘と受け止めております。学生諸君と教職員にとって風通しの良いキャンパスにする努力を今後とも続けて行く所存です。
以上,本校の今後の展開について,目標の一端を述べさせていただきました。皆様方のご理解とご協力の下に,明日の宇部高専を築くために忍耐強く力を尽くして行きたいと思います。業務に携わる皆様方のご健康と安全を願っております。本年もどうか宜しくお願い申し上げます。
平成24年1月5日