独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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第14回  校長 三谷知世

宇部高専同窓生 各位

宇部工業高等専門学校
校長 三谷知世

 

高専生の能力にあった就職を

 宇部高専が高専1期校として誕生して、55年の月日が流れました。全国約40万人の高専卒業生の活躍によって、近年の求人倍率は多くの高専で20倍以上になっています。このことに水を差すわけではありませんが、単に採用したいという企業側の思惑のみを歓迎するのではなく、その実情をきちんと把握し、高専生の能力や可能性にあった評価が得られるようにすべきと思うのです。

技術総合職での就職は

 本年の本科5年生及び専攻科2年生で就職する者のうち、技術総合職で就職内定を得た者は全就職内定者の約10%でした。専攻科生は4年制大学卒と同等のはずですが、残念ながら技術総合職での就職者は10人に1人ということになります。このような調査はこれまでなく、本校が最初です。ただし、他高専の状況も大きく違うわけではありません。技術総合職での就職者が少ないことは、多くの高専の悩みです。

高専卒業生の年収は

 一方で、東京高専が文部科学省のプロジェクトとして昨年までの5年間に実施した、「イノベーティブジャパンプロジェクト」の一環で行った、高専卒業生の給与に関する調査で興味深い結果が出ました。教育社会学者の矢野眞和東京工業大学名誉教授が本校を含む13高専の卒業生にアンケートを取り、約3,000人から得た回答を分析した結果、30代、40代、50代いずれの年代においてもその年収は大学・大学院卒の給与と同等かそれ以上だったのです。
 技術総合職での採用がほとんどないにもかかわらず、なぜ卒業10年後、20年後、30年後の年収が大学・大学院卒と同等あるいはそれ以上なのか。その詳細についての研究は教育社会学者に任せますが、高い能力と弛まぬ努力により業務実績を積み、それによって評価が高まっていったことは確かです。

理事長の考え

 昨年国立高専機構理事長に着任された谷口功先生(前熊本大学長)は、高専卒業生の能力にあった採用を強く望まれ、本科卒業生には4年制大学卒と同じ初任給を、専攻科修了生には大学院修士課程修了者と同等の初任給を与えるよう大手企業を含む企業関係者に求めています。そして、そのようにする企業も少しずつ増えているようです。宇部高専でも、5年間あるいは7年間の充実した教育に見合う初期評価として、4年制大学あるいは大学院修士課程修了者と同等の初任給及び技術総合職としての待遇を企業に求めていく必要があると考えています。

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