独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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校長室の窓から

Message from the President

考える学生よ、出でよ

宇部高専は今年4月から4学期制をスタートさせました。今までの前期、後期をそれぞれ半分に分け、1学期を約2か月で終了させます。この狙いは、1学期に学ぶ科目数を減らすとともに、同じ科目を週2回開講して効率的に勉強をしてもらうことにあります。また、夏休みを8月上旬から10月上旬までとり、企業や大学での長期インターンシップや海外研修を始め、地元の小中学校での理科実験やものづくり学習のサポート、様々な団体や機関と連携しての課題解決活動等に取り組んでもらいます。学校で学んだことを実際の場で応用し、それによって知識の定着を確実なものにしてもらいたいと考えています。

これまでの学校教育は、知識を授けることに主眼が置かれていました。日本では上位の学校に行くための受験勉強が重要視され、たくさんの知識をまず覚えることが大切でした。しかし、科学技術が高度に発展した現在、特に高専のような技術系の学校では、技術にかかわるすべての知識を教授することは不可能になりました。技術の根幹をなす基本的な考え方をしっかりと理解し、そのうえで知識を応用して新しいものを作りだす能力が求められるようになりました。企業、大学、小中学校、諸機関に出向いて様々な人々との関わりを通して、コミュニケーション能力、チームワーク、課題解決能力も身に付けてもらいたいと思っています。

夏休みの期間を長くとることや、解答がいくつもある課題に取り組むことが、学生の成長につながるのかどうか疑問視する方もいます。長い夏休みを怠惰に過ごすのは時間の無駄、基礎知識もないのに応用的な課題に取り組んでも何の能力も身につかないという主張です。これまでの受け身的な教育を基準に考えた場合、無理からぬことかもしれません。しかし、高等教育機関である高専にあっては、学ぶ意味を自ら理解して、率先して知識を吸収する姿勢が求められています。企業もそのような人材を求めています。筋道立てて物事を考えることや、大所高所に立って物事を解析することは、技術の仕事をするうえで大変重要です。そのためには、幅広い分野の書籍や論文を読むことや、仲間と議論をすることが必要です。論理的にあるいは科学的に考える学生になってほしいのです。

4学期制が軌道に乗るには時間がかかるかもしれません。しかし、4学期制の利点を生かして、考える習慣を身につけた「考える学生」がこの宇部高専で沢山育ってほしいと思っています。

校長 三谷 知世

『学校だよりvol.94(平成29年11月発行)より』

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