2016.07.08
6月28日(火)、宇部高専マルチメディア学習室にて、國立聯合大学の短期留学生(6/27~7/22)の引率のためご来校された、韓欽銓教授による講演が開催されました。韓先生は、コンピュータビジョン、特にパターン認識に詳しく、「顔認識~線形代数を使った特徴抽出~」と題して、英語で分かり易く説明されました。講演には、制御情報工学科4・5年生及び教職員約100名が参加しました。
韓教授の英語によるご講演
本講演で、韓先生は、コンピュータの力を用い、また、数学の線形代数を使って、顔認識システムを構築する際の実際的な手法を説明されました。
顔認識では、画像情報を直接用いれば、その特徴数が膨大となり計算コストがかかります。そのため、膨大な量の特徴から、識別に役立つ特徴を抽出します。パターン認識では、このことを特徴抽出と言います。特徴抽出では、数学の線形代数における線形変換の考え方を使って、次元数を減らすことができます。
たとえば、4096次元の特徴から、線形変換を用い100次元程度の特徴へ変換します。これにより、次元数が大幅に削減され、計算コストの問題をクリアにすることができます。ここでは、線形変換を実現するための行列の具体的な計算方法、主成分分析法や判別分析法が紹介されました。
参加した学生は、授業で習った線形代数の基本的な知識が、顔認識システムにおける特徴抽出の主成分分析法や判別分析法として工学的に応用されていることを学びました。
質疑に笑顔で応えられる韓教授
本講演の他、制御情報工学科5年生2名が研究を英語で口頭発表し、韓先生から質問・有益なコメントを頂きました。
普段、学校の授業で習っていることの多くは、実際に工学的に応用され、社会に役立ちます。今後、さらなる学生の研究活動の活発化が期待されます。