2025.01.30
令和6年11月30日(土)、地域課題解決型地域教育でSDGsの活動に取り組む学生が、就労支援施設「てご屋自立支援センター」において、同施設利用者の方と一緒にラディッシュの播種を行いました。学生は、授業の一環でSDGsの目標2「飢餓をゼロに」のターゲット4に着目し、動物園で大量に排出される動物の糞を堆肥として再利用し、食物を育て、それを食するという循環の構築に取り組みました。
宇部市ときわ動物園の動物の糞を発酵させて堆肥にし、ラディッシュ栽培の土壌改良材として使用しました。
2月頃、堆肥づくりに協力いただいた就労支援施設「てご屋自立支援センター」利用者とともに生育したラディッシュを収穫し、調理する予定です。

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。
ターゲット4:2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
![]() ビニールで覆い、発酵を促進している様子 | ![]() 完成した堆肥 |
![]() 作業内容の説明 | ![]() 全員で記念撮影 |
参加学生のコメント
竹中 優斗さん(経営情報学科2年)
この取り組みは、動物園で毎日大量に排出される糞のユースケースを確立することを目的としています。糞を焼却廃棄すると二酸化炭素排出量の増加につながり、業者に依頼すればコストもかかります。糞の活用法を確立し、廃棄しないようにすることで二酸化炭素排出を減らし、コストを削減することができると考えました。この取り組みを通して、理想と現実との間に大きなギャップがあることを痛感しました。自分のイメージしたことを思うように形にできないもどかしさを感じることもありましたが、諦めずにチームで協力し合って活動を今日まで続けることができました。地域教育に取り組む中で協調性を養い、課題に直面しても最後までやり切る持久力が身についたと思います。この経験を社会人になった時にも活かしていきたいと思います。
中村 優介さん(経営情報学科2年)
活動前は動物の糞から堆肥を作ることは環境的にも経済的にもエコなのに、なぜこの取り組みが広まらないのか疑問に感じていたのですが、堆肥を作るには役所への届け出や周辺環境への配慮などが必要となるため簡単なことではないと、今回の活動を通して感じました。糞の活用方法やそれに付随する課題はまだまだ多くあると思うので、この取り組みが少しでも社会の役に立てるよう、残りの活動も全力で頑張りたいと思います。
加藤 陸さん(電気工学科4年)
今回取り組んだ堆肥の作成は、ときわ動物園から譲渡していただいた糞を利用しました。現代社会が求めているSDGsについての理解や考えを深めると共に、実際に活動することの重要さと大変さを身にしみて感じました。この活動を通して得た経験を、社会に出たときに活かせるようにしたいです。
地域課題解決型PBL(Problem/Project Based Learning)「地域教育」とは?
宇部高専では、2017年度よりエンジニアリングデザイン能力の醸成、課題発見能力育成および多様なイノベーション創出を目的としたアクティブラーニング型授業として地域課題解決型PBL「地域教育」を開講しています。課題を与える(選択する)のではなく、自らが課題を発見するところから取り組み、実践活動することで、今、社会が求めている「待ちではなく、自ら考え、提案、行動できる人材」を育成しています。