2021.09.02
地域課題解決型PBL(Problem/Project Based Learning)「地域教育」とは?
宇部高専では、2017年度よりエンジニアリングデザイン能力醸成,課題発見能力育成および数多くのイノベーション創出を目的とした地域課題解決型PBL「地域教育」を開講、今年で5年目になります。課題を与える(選択する)のではなく、自らが課題を発見するところから取り組み、提案に留まらず年間を通じて実践活動をすることで、今、社会が求めている「待ちではなく、自ら考え、提案、行動できる人材」を育成するアクティブラーニング型の授業です。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を鑑み、打ち合わせはオンラインで、フィールドワークは、十分な感染症対策を施して取組んでいます。
小野プロジェクト(和紙boys・和紙girls)
2019年度から6名(和紙boys3名、girls3名)が宇部市北部の小野地区伝統工芸である「和紙」をテーマに取組み、3年目を迎えます。今年度最初の現地活動は、令和3年8月21日。小野湖畔の旧小野中学校にある和紙工房を訪問し、和紙Boysは、和紙材料の楮(こうぞ)繊維をほぐす機械「ビーター」の製作、和紙Girlsは、和紙商品の製作をしました。
8月21日 小野和紙工房での製作活動 参加メンバー
チーム名 | サブチーム名 | 学科(学年) | 氏名 | 受講年数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
小野プロジェクト | 和紙Boys | 制御情報工学科(5年) | 安重颯人 小松尾真優 来嶋紘知 |
5年目 | 現地参加 |
小野プロジェクト | 和紙Girls | 物質工学科卒 経営情報工学専攻科卒 物質工学科卒 |
逆瀬川佑月 土井佑香 槿 優衣 |
5年目 4年目 2年目 |
オンライン参加 オンライン参加 現地参加 |
観光 | 経営情報学科(4年) | 水野愛美 山本小想 |
2年目 | 現地参加 (応援参加) |
繊維をほぐす機械「ビーター」の製作
和紙boysは制御情報工学科で学んだ電気・回路・プログラミングの知識やロボット研究部で培ったモノづくりの経験を生かして和紙の材料である楮(こうぞ)の繊維をほぐす機械「ビーター」の製作に取り組んでいます。昨年までに、設計、動作確認を終えており、プロジェクト最終年度の今年は実機の製作に取り組んでいます。8月21日は小野観光推進協議会文化伝承部会の方々と協力して現地で組み立てが完了、正常に稼働し繊維をほぐす能力を確認しました。
卒業までに完成させることを目標に開始した小野和紙プロジェクトにおける「ビーター」の製作。無事にこの日、小野観光推進協議会文化伝承部会の方々へ引き渡すことができました。
これからは、冬の紙漉きシーズンまでに繊維をほぐす能力を向上させるシーケンス(稼働条件)の探求、操作マニュアルの作成などに引き続き取り組んでいきます。
繊維をほぐす機械「ビーター」が完成し記念撮影(左より来嶋さん、小松尾さん、安重さん) |
楮(こうぞ)の繊維がほぐれていることを確認 |
和紙の魅力/付加価値創出として新商品の開発(第2弾)
和紙girlsは全員が卒業生になりましたが、オンラインで意見を交わしながら今年度も引き続き和紙の魅力/付加価値創出をテーマとして新商品の開発に取り組んでいます。昨年は、ランプシェイド、ブックカバー、フォトスタンドを製作しましたが、今年は、カレンダー、アクセサリー/キースタンド、モビールを製作しました。観光振興に取り組む学生2人も製作に応援参加しました。
完成後、和紙の工房で記念撮影(左より水野さん、槿さん、山本さん) |
カレンダー、アクセサリー/キースタンド、モビール |