独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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vol.20 堀部有希(トビタテ!留学JAPAN)

水環境問題を解決できるグローバルエンジニアを目指して
~経済成長が著しい多民族、多宗教、多文化のマレーシアの地で学ぶ~

マレーシア マラ工科大学

物質工学科3年 堀部 有希
留学期間:2022年8月21日~9月25日
トビタテ!留学JAPAN(プロフェッショナルコース)

私はマレーシアのシャーアラムに位置するマラ工科大学で水質について研究をしました。私は飛行機が大の苦手であるためフライト中はお尻にずっと力を入れ耐えました。

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苦手な飛行機で頑張って撮影しました

マレーシアは英語ではなく、マレー語が使われる場面がほとんどでわからないことだらけでしたが、スーパーバイザーや研究室の方たちがとてもやさしく丁寧に接してくださったおかげで少しずつ馴染むことができました。

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お別れ会を開いてくれた研究室の方たち

研究内容について紹介する前にマレーシアについて驚いたことを3つ紹介したいと思います。

1つ目は歩道が整備されていないことです。現代は、車社会であるため歩く人はほぼ見当たらず横断歩道も指で数えられるほどしかありません。そのため道を渡る度にスリルを味わうことができました。遠出するときにはGrabというアプリを使い移動していました。スマホで現在地と目的地を指定するだけでタクシーを呼ぶことができる以外にもデリバリーもできるので今後日本でも普及してほしいなと思いました。
2つ目は、政府から認められていない工場が複数見られたことです。休日に川の汚染状況とプラスチック工場の現状について視察をしに行ったのですが、その際工場の写真を撮って「いざ、帰ろう!」と満足感を味わっていた時、工場の方がこちらへ近づいてきて「今すぐその写真を消せ」といわれました。なんで?と聞いても消せ!と鬼の形相で言って来るだけです。幸せの絶頂に立っていたため、崖から突き落とされた気分にはなりましたが、マレーシアの工場事情について知れたため良かったです。

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クアラルンプールのツインタワーにて

3つ目は、開発エリアと未開発エリアの間には大きな格差があることです。歩道や水道管などのインフラが十分に整備されていない一方で、マラ工科大学から少し離れたところにi-Cityという大型ショッピングモールがあり周囲とのギャップにとても驚きました。街のいたるところで工事が行われているため、騒音や悪臭といった問題はありますが今後も発展していく街だと感じました。

さて、ここからは自分が体験した研究について簡単に説明します。研究内容は、日本とマレーシアの水道水、川の水の水質の比較することでした。比較するサンプル以外にも豆腐工場の水やリサイクル工場の水質も測定しました。平日は8:15~17:30まで研究室で研究し、寮に帰ってからは研究レポートの作成、プレゼン資料の作成、英単語の勉強と充実した日々を送っていました。

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豆腐工場の前で

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リサイクル工場の前で

マレーシアの水は臭くて汚くて飲めないと聞いていましたが、水道水は日本と同じ無色透明で汚くはなかったです。しかし、塩素のにおいが強く飲むことは不可能であると思いました。実際に実験をし、値を測ってみると日本の綺麗な水と、さほど値は変わらずでした。今回簡単な測定のみしたので、大腸菌測定や塩素量測定もできたらもっと変化を見ることができたのではないかと思います。また水道管の設備によっては、水に鉄の色が付き茶色になることがあるそうなので、これについても調査したいです。

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pH計を使って、pHを測っている様子

ありがたいことに今回水質を測るだけでなく、水の浄化方法についても学ぶことができました。日本とは違い、マレーシアは一年中温暖な気候であるため微生物が育つには最適な環境なので、薬品で浄化するだけでなく微生物を使った浄化法を普及させていってほしいです。

また留学する機会があれば新たにできた好奇心を基に研究・考察・議論をしたいです。 初めての留学によって語学力はもちろん、考え方についても成長することができました。
好奇心と挑戦する心を持つこと、そして常にポジティブ思考をするが自分を成長させる一番の鍵だと思います。
初めての留学は自分の夢に彩を与えてくれる最高のものでした。留学最高!!

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モスクの結婚式会場でヒジャブを被りました

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