独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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vol18. 長尾未優(トビタテ!留学JAPAN)

「持続可能な農業」のために!!!~科学×農業×グローバル~

アメリカ合衆国・ロードアイランド大学

物質工学科3年 長尾未優
留学期間:2022年7月16日~2022年9月11日
トビタテ!留学JAPAN(プロフェッショナルコース)

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ロードアイランド大学での講義

私は、アメリカの東海岸に位置するロードアイランド州で大学に通いながら3軒のNPOや農家を訪問し、実際に農業を手伝いながら農薬、農業経営、農作物の第六次産業化について学びました。

現地では、ホームステイをしながら平日の8時から13時まで農家で研修に取り組みました。

1軒目の農家は60年続いている大規模農家で、果物狩りと自社の販売所を主に経営していました。3週間の研修期間、実際にリンゴの木の剪定をしたり、トウモロコシを植えたりとたくさんの専門的な技術を通して日本とアメリカの農業の違いに触れてきました。また、私が日本で考え提案したレシピの試作品を販売所のキッチンで作らせていていただき、ブルーベリーのピクルスが好評で商品化を考えていただけることになりました。

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研修先でピクルスを作らせてもらっている様子

2軒目の農家は約5年前に、ボストンからいわゆる脱サラをして農業を始められたご夫婦でした。主な販売先はCSA(お客様に先にお金をいただいて、旬の時期になると週2回野菜が届くシステム)やファーマーズマーケット(アメリカでは地域で週2回のペースで開かれている)でした。
3週間の研修期間では、15種類を超える作物の収穫、手入れをしました。従業員の方が全員若い女の方で、とても気軽に話しながら研修ができました。「なんで農業を選んだの?」と聞くと、「土づくりから販売まで一貫して行えて、お客さんの喜ぶ顔を直接見れる職業って素晴らしいと思わない?」と言われたのが今でも鮮明によみがえってきます。

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現地の農家の方と

3軒目の農家は、地域を取り仕切る役割を担うNPOで、ファーマーズマーケットの企画・開催、夏休み中の子どもを対象にした農業サマースクール(アメリカでは子どもが一人でいることが難しいため、サマースクールに参加する)を行っています。2週間の研修先期間、企画・開催のノウハウの講義やサマースクールに参加し、農業を俯瞰して学びました。

今回研修した3軒の農家に共通することは「オーガニック農法」を行っていることです。日本では主流にはなっていませんが、アメリカではオーガニック農家のブランディングに力を入れていています。ファーマーズマーケット(フリーマーケットの野菜版)では、4時間の間お客さんが途切れることはないぐらい、需要もあります。このオーガニック農法・ファーマーズマーケットを日本でも主流化させ、SDGsにもなる地産地消に貢献していきたいと思っています。

現地の人に七夕文化を広めた時

ホストファミリーとエージェントの方々

この留学を通して気づいたことは「何事に対しても一生懸命に取り組む」です。高専に入学するまでは、ある程度やることを与えられ、受動的な学習・行動が多かったのですが、高専では自主性を重んじ最低限の課題しかでません。だからこそ、「やるもやらないも自己責任」ということに気づかず、「一生懸命は恥ずかしい」と周りに流される学校生活を送ってきました。そんな状況でこの留学という機会をつかみ取りました。私は英語が堪能ではありませんが、「一生懸命英語で伝えようとする姿を見て協力してあげたくなった」と多くの現地の方から言われました。

「一生懸命に取り組む」ことは、当たり前ではない、かっこいいことなんだと再認識したので、自分がやりたいことに全力で取り組んでいきたいと思います。

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