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市民文化サロン「台湾学生と楽しく学ぶ台湾華語と台湾文化」を開催しました

NEWS

2023.04.03

令和5年1月21日(土)・2月4日(土)、宇部高専選択講義室3で市民文化サロン「台湾学生と楽しく学ぶ台湾華語と台湾文化」を開催しました。この事業は、人文科学、社会科学、自然科学にわたる幅広い学術分野について、一般市民の方々に分かりやすく紹介し、自由な意見交換等を通じて受講者の教養を高めることを目的としています。

講座を担当したのは、文藻外語大学華語文学研究所(日本の大学院に相当)の何泰樺さんと吳淯玹さんです。2人は令和4年10月中旬から令和5年3月初めまでのスケジュールで、畑村学教授の指導のもと、宇部高専で中国語の教育実習に取り組んでおり、今回の市民文化サロンも実習の一環として開催しました。

台湾の正月に関わる中国語を解説する何泰樺さん

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折り紙での天灯の作り方を説明する吳淯玹さん

天灯作りのサポートをする講師

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完成した天灯(第2回)

正月飾りの對聯について説明する何泰樺さん(第1回)

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正月飾りの切り絵をする参加者(第1回)

講座では、1月末から2月初めが、ちょうど台湾の「過年」、すなわち旧正月の時期に当たることから、台湾の正月に関わる中国語、台湾の正月料理や正月飾り、元宵節のお祭りや天灯の風習等について、日本語と中国語を交え紹介しました。参加者は、カラフルな写真を使ったスライドを見ながら、2人の説明に興味深く耳を傾けていました。また、講座中には台湾の旧正月に関係した工作も楽しみ、第1回では正月飾りの切り絵作成、第2回では台湾の元宵節(旧正月の最終日。日本でいう小正月。)に関連させて折り紙でミニ天燈作りを行いました。

終了後に行ったアンケートからは、普段知ることができない台湾の旧正月の文化に関して、参加者の理解が深まったことが窺えました。今後も宇部高専では、長期・短期の留学生と市民との交流を積極的にすすめてまいります。

市民文化サロン終了後の記念写真

講師を務めた学生からのコメント

何泰樺さん(文藻外語大学華語文学研究所)

私は今回「市民文化サロン」の講義担当者の一員として、台湾の旧正月と、それに関連する単語を、台湾に興味を持っている市民の皆さんに講義しました。講義の開催前には申し込んだ参加者が意外に多かったと聞いて嬉しいと思う一方、「どんな人が参加するのか」楽しみでした。
開催当日に参加者の方々と話をしてみると、皆さん台湾と縁があることがわかりました。開始の1時間前に到着した年配の女性は、小学生の時に台湾に住んでいたそうです。懐かしくて感情の高まる口ぶりで自分が覚える台湾についての思い出を語ってくれました。3年生の教科書に出た文章は今も暗唱できるということで、前世紀の出来事ですが、まるで昨日のことのようにすらすらと語ってくれました。最後、いきなり「台湾の国歌はどう歌うの?」と聞かれて、もう何年も国歌を歌っていない私は「えっ?」と驚きました。私はその女性と一緒に歌いましたが、その方が歌詞を全部覚えていることに大変驚きました。
その時、自分の祖父のことを思い出しました。祖父は2人とも幼少期に日本の教育を受けました。私は5、6歳の頃、父方の祖父に「これは『め』、これは『みみ』」と日本語の単語を習いました。祖父もこうして日本の教育を受けた時のことを懐かしく、そして熱く話してくれていました。今考えると、日本との縁は、あの時に始まったのかもしれません。
参加者のなかには、3人グループで申し込んだ方がいて、「3人で時々台湾に旅行に行くよ」と言いました。3人の一人は自分で作った台湾料理の写真を見せてくれました。それらは中途半端な台湾「風」料理ではなくて、ルーローハン・茶葉卵・台湾ハンバーガーなど全て本場の台湾料理でした。台湾カキ氷を作って撮った写真もありました。「カキ氷を作る機械を台湾から2台運んで帰った」と満足している顔で言いました。「台湾に夢中になった」と一緒に参加した方が笑って言いました。
コロナ禍のために台湾に行けない代わりに、文化サロンに参加することにしたという方も結構いました。サロン進行中はむろん、休憩中に台湾に行った時に撮った写真を見せくれたり、台湾についての質問を連発したりしました。
孔子の『論語』にはこういう一言があります。「友あり遠方より来たる、また楽しからずや。」現代語は、「親しい友人がいて、遠くからもやって来るのは、何と楽しいことではないか。」参加者も私も遠くから来て、お互いに見ず知らずなのに、「台湾」について喋ったり、交流したりして、「台湾」によって縁を結び仲良くなりました。あまり長い時間ではありませんが、すごく楽しい時間を過ごすことができました。まさに「友あり遠方より来たる、また楽しからずや。」を実感しました。これからも今日のような気持ちを持って、今日の貴重な経験を覚えていて台湾華語と台湾文化を学生に伝えていきます。


参加者の声

豊田 珂代子さん(山口県光市在住)

2回に渡っての台湾文化サロン参加。申し込むきっかけは「中国ドラマ好き」というミーハーな理由からだった。台湾については、山と仏教(信仰心)、親日、そしてパイナップルぐらいの理解でしかない。実際サロンが始まり講師に出会うと、子ども達と同年代!まるで我が子に授業を習うかの様で、新鮮な氣持ちと嬉しさでいっぱい。
講座内容は、中国の(漢語)発音と台湾の(華語)発音の違いから始まり、単語の発音練習。春節祭(日本で言う正月)について食文化、後半に必ずワークショップが入り切り絵や折り紙を作って楽しんだ。
参加メンバーは多種多様で、経営者からボランティア一般主婦まで。自分の隣りの方は仕事で中国に渡国されていたので発音がとても綺麗で教えて頂いたり、年輩の方に歌等のお話しを聴いたりと、交流の面でも充実だった。
最後に、講師の学生方々及び高専の先生方に講座の場を頂いた事に感謝いたします。講師及び海外交流の学生、高専の皆様のご活躍を祈ります。有難うございました。


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