独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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目的別

生産システム工学専攻

生産システム工学専攻

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先端工学技術の発展に対応し得る知識を持った独創的で解析力に優れた技術者の育成を目的としています。
産業界は、機械、電気・電子、情報など多分野の学問・技術を理解できる技術者を必要としています。専門分野の応用的・先端的な技術・知識に加えて、専門分野以外の技術・知識を、学生の希望に応じて幅広く選択させることにより、柔軟な発想のできる特色ある技術者を育成します。

生産システム工学専攻の研究紹介

機能性伝熱面による新規熱流体デバイスの開発【德永 敦士 研究室】

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近年、半導体集積回路技術に代表される MEMS(Micro Electro Mechanical Systems) 技術が大きな発展を遂げるなど、熱工学の分野においても本技術を応用したナノ・マイクロスケールの伝熱促進技術が注目されています。
中でもマイクロデバイスの発熱問題を解決するために凝縮などの相変化伝熱の研究が盛んに行われている現状があります。この凝縮では高い熱輸送能力を示す滴状凝縮の利用が望まれている一方で、マイクロスケールにおいては、重力などの体積力よりもむしろ表面張力が支配的になるため、液滴を効果的に除去する機構が要求されています。
そこで、MEMS 技術を活用した機能性伝熱面の製作を行い、液滴除去と伝熱促進効果について検証しています。具体的には、異なる濡れ性を示す物質を伝熱面表面に分布させることで液滴を積極的に排除する、濡れ性勾配と呼ばれる構造を製作しています。現在、これをデバイスに応用するために、流動抵抗低減効果についても検証している段階です。

二次元デバイス開発へ向けた電気電子材料表面の研究【碇 智徳 研究室】

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高速化・大容量化する情報通信分野の発展に伴い、電気電子デバイスの高性能化さらには省エネ化・小型化が進められています。
ここでは、ナノメートルスケールでの極微細構造による特徴を利用したデバイスが開発されています。電気自動車の車載用デバイスや宇宙環境での活躍が期待されているシリコンカーバイド(SiC)を基板として取り組んでいる研究を紹介します。SiC 基板では、加熱条件により Si-rich から C-rich なグラフェンまで多数の再構成表面を形成します。
(1)極微細電子デバイスへの応用
各再構成表面の二次元構造に起因した原子或いは分子の吸着状態を制御する。
(2)エネルギー貯蔵デバイスへの応用
カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェン /SiC を電極、イオン液体(IL)を電解質とした活用を期待し、CNT やグラフェンの生成制御及び IL 分子の挙動を制御する。
また、専攻科生は多数の国内外の大学との共同研究に参画し、その成果を数本 / 年の国内外の学会で発表しています。

機械学習を用いた異常音検知【江原 史朗 研究室】

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山口県内企業の JRCS 株式会社により、騒音下であっても対象とする機械の動作音を測定可能なマイクロフォンが開発されました。そのマイクロフォンを用いて、測定した機械の動作音から異常状態を早期に発見し予防保全に役立てることを目的とした聴音装置の開発を行っています。
正常・異常の判定には、人間の学習にあたる仕組みを機械(コンピュータ)で実現する機械学習の技術を用います。機械学習にも様々な種類がありますが、本研究では One Class SVM と呼ばれる手法を用いて判定を行っています。これにより正常な動作音のみの学習から異常な音の検出が可能となり、あらかじめ異常な音のサンプルを用意する必要がなくなることから、実用性の高い製品が期待でき ます。実験では装置を用いて正常音、異常音を人為的に発生させ、アルゴリズムの有効性を確かめました。

生産システム工学専攻の教育

ディプロマポリシー

カリキュラムポリシー

アドミッションポリシー

授業科目【Webシラバス】

授業紹介

エンジニアリングデザイン

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専攻科では、エンジニアリングデザイン教育に力を入れています。地元の企業などから与えられたモノづくりの課題に対して、出身学科の異なるメンバーでチームを構成し、取り組みます。グループでの解決に向けた取り組みを通じて、具体的な“もの”を実現するための知識や技術に加えて、問題解決力やコミュニケーション能力、チームワーク力の育成を目指しています。

令和3年度修了生特別研究テーマ

機械分野 ・宇宙用太陽電池の熱暴走のスポット径メカニズムとその対策
・PVモジュールのホットスポットの温度分布を再現する電流FB型連成モデル
・BPD開放故障時と正常時の太陽光発電システムのI-V特性差の再現
・二次元アモルファス構造を持つ多元系合金のパーコレーション閾値の測定
電気分野 ・SiC再構成表面上におけるフタロシアニン分子の吸着形態の観察
・SiC再構成表面上でのイオン液体の挙動と異なるアルキル鎖長による挙動解明
・GaNトランジスタを用いた磁界共鳴方式ワイヤレス給電に関する研究
・GaNトランジスタのゲート駆動における挙動解析に関する研究
・GaNトランジスタを用いた電磁誘導方式ワイヤレス給電に関する研究
・GaNトランジスタを用いたアクティブクランプ式フライバックコンバータに関する研究
・導電性高分子を加えた新規有機半導体太陽電池のキャリア機構の調査と製作
制御分野 ・動画像強調法を使用した異常気象衛星画像の解析
・OCSVMを使用した流水音及び打撃音の異常検知
・特徴量抽出手法による異常音検知システムへの影響
・AutoEncoderを用いたベアリング音及び流水音の異常検知
・ランダムフォレストを用いた乳がん識別に関する研究
・顕著度を考慮した画像の色量子化に関する研究
・加速度信号を用いた歩行状態の検出に関する研究

令和3年度に各教員が受け持った特別研究題目一覧は【こちら】pdf


卒業後の進路

進学・就職状況

(令和4年3月31日現在)

令和3年度 令和2年度 令和元年度
内訳
大学院進学:8人
就職:11人
大学院進学:7人
就職:12人
大学院進学:9人
就職:11人
大学院進学
九州工業大学(3人)
九州大学
京都大学
筑波大学
山口大学(2人)
九州工業大学(3人)
九州大学
東京工業大学
長岡技術科学大学
山口大学
九州工業大学(3人)
九州大学(3人)
筑波大学
奈良先端科学技術大学院大学
広島大学
就職
宇部興産機械㈱
ENEOS㈱根岸製油所
キヤノンメディカルシステムズ㈱
㈱クレスコ
新明和工業㈱
㈱トクヤマ
㈱ニュージャパンナレッジ
パナソニック㈱US社
㈱日立システムズフィールドサービス
㈱日立社会情報サービス
㈱安川電機
旭化成㈱
宇部興産㈱
NOK ㈱
ENEOS㈱川崎製油所
㈱トクヤマ
㈱日本触媒
㈱ハイマックス
富士通㈱
マツダ㈱
三菱ガス化学㈱
㈱ヤナギヤ
宇部マテリアルズ㈱
大阪ガス㈱
CTCテクノロジー㈱
㈱シマノ
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションス(株)
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)
東洋鋼鈑㈱
㈱トラスト・ネクストソリューションズ
日本車輌製造㈱
パナソニック㈱オートモーティブ社
村田機械㈱

修了生からのメッセージ

吉田 洸太さん(令和4年3月修了・パナソニック㈱US社 就職)

平山 楓さん

私は専門的な知識をより深く学ぶために専攻科に進学しました。専攻科では、授業でグループディスカッション、研究で学会発表を行う機会もあるため、プレゼンテーションの能力を高めることもできます。研究に取り組む時間が本科よりも多いことで、焦ることなく集中して研究活動を行えます。
その中で特に魅力に感じた点が2つあります。
1つ目は、専攻科の専門科目はほぼ選択科目であるため、自分自身で学びたい科目を選ぶことが可能なことです。そのため、私は学習に対して高いモチベーションを維持できました。
2つ目は、他分野の知識を身につけることが可能なことです。他分野の知識を学ぶことで、知識の幅を広げることができました。
就職を考えている方、進学を考えている方、どちらにも専攻科はおすすめです。

原岡 壮馬さん(令和4年3月修了・九州工業大学大学院情報工学府進学)

原岡 壮馬さん

専攻科では、資料作成やプレゼンテーションの機会が多く、勉学面以外においても役立つスキルを身に着けることができます。また、他分野の知識も学べる機会が増え、充実した内容のカリキュラムが組まれていることが魅力的だと思います。
2年生からは研究中心となります。自ら研究計画を立てることや、本や論文を読んで知識を培っていくといった積極性が必要になります。上手くいかないことや失敗することが多いと思いますが、それらを解決するために考えることも学生ならではの経験だと思うので、研究活動に興味がある方にはおすすめの場です。
私は大学院へ進学しますが、専攻科からの進路は、就職においても進学においても他の大学等に比べて選択肢の幅が広いです。是非、専攻科に入学して、充実した学生生活を送ってください!

修了生からのメッセージアーカイブ

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