研究と生活を通じて学んだシンガポール研修
シンガポール
物質工学科3年 田中 琴音
留学期間:2025年8月19日(火)~9月22日(月)
私は約1か月間、シンガポールで海外研修に参加しました。滞在先の大学はとても広く、研究施設も充実しており、研究室には3Dプリンターをはじめ多くの実験機器が整っていました。初めて研究室に入ったとき、棚いっぱいに並んだ精巧な3Dプリント作品を見て、とても驚いたのを覚えています。大学内にはいくつもの食堂があり、シンガポールならではの多国籍な料理を味わえるのも楽しみのひとつでした。先生方も親切で、研究室の案内や実験の説明も丁寧にしてくださり、安心して活動を始めることができました。

3Dプリンターを使用している様子
私は3Dプリンターを使ってマイクロプラスチックを取り除くためのコイル装置の設計と改良に取り組みました。最初は思い通りの形が作れなかったり、実験結果が期待通りに出なかったりと失敗も多くありました。しかし、その失敗を重ねることで少しずつ成果を出せるようになりました。例えば、コイルの断面を丸から四角に変えると静電気が起きやすくなり、回収できるプラスチック片が増えることがわかりました。
また、水道水と塩水で比較実験を行い、条件によって除去効率に違いが出ることも確認できました。実験を繰り返す中で、正確な測定やデータ整理の大切さを実感し、失敗を糧に改良を続ける研究の楽しさを味わうことができました。

実験の様子

マーライオン観光
生活面では、学生寮で友人と食事や日用品をシェアしながら過ごしました。研修期間は、主にホーカー(屋台街)で食事しました。手頃な価格で多国籍な料理を楽しむことができ、辛い料理や日本にはない料理に挑戦しました。現地の人におすすめを聞いたりと良い思い出になっています。ホーカーや食堂では宗教ごとに食器が分けられていたり、街全体で環境に関するルールが厳しかったりと、日本との生活習慣の違いに触れることもできました。
言葉の面では、英語以外に中国語やマレー語が飛び交う環境のため、うまく通じないこともありましたが、簡単な英語やジェスチャーなどを使い、なんとか伝えようとする姿勢が大事だと感じました。

シンガポールの夜景
この1か月を通して、研究活動からは「失敗を恐れず改良を重ねる姿勢」を学び、生活面からは「異文化を受け入れ、人と協力する大切さ」を体感しました。研究の成果だけでなく、先生や学生のサポートに支えられて最後までやり遂げた経験は大きな自信になりました。また、多文化社会の中で暮らしたことで、文化や言語の違いを超えて、人と関わる力を身につけることができました。
今回の留学で得た学びや経験は、これからの進路や研究活動に必ず役立つと確信しています。シンガポールでの留学生活は、かけがえのない思い出であり、成長の機会となりました。これからも挑戦を恐れず新しい環境に飛び込んでいきたいという気持ちを強くさせてくれました。
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