独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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令和5年度卒業式式辞

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本日、宇部工業高等専門学校の卒業ならびに修了を迎える本科生205名、専攻科生34名の皆さん、おめでとうございます。
日頃より本校の教育研究活動へのご理解とご支援を賜っているご来賓の皆様のご臨席を仰ぎ、令和5年度宇部工業高等専門学校卒業証書・修了証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員一同にとりましても、心から喜びとするところでございます。
卒業ならびに修了を迎えた皆さんに心からお祝いを述べます。また、ご臨席の保護者の皆様方には、これまでの長きにわたるご支援に敬意を表するとともに、心よりお慶び申し上げます。

宇部高専は、国立高専の1期校の一つとして、今から61年前に創設され、これまでに9,000人を超える卒業生を社会に送り出してきました。就職・進学先の企業や大学からは高い評価を受けており、多くの優れた卒業生が日本のみならず世界を舞台に活躍しています。

留学生の皆さんは、遠く祖国を離れ、異なる言語、文化、習慣の壁を克服し、宇部高専での学びを貫徹されました。これまでの皆さんの努力に深く敬意を表します。これからは本校で身につけた知識や技術を母国の発展のために大いに役立ててください。さらに母国と日本との友好の架け橋となることを期待しております。

本校を巣立つ皆さんに、心に留めておいて欲しいことを三つお話ししたいと思います。
一つ目は、チャレンジし学び続けることです。
卒業・修了される皆さんは、早くからエンジニアの道を志し、本校での5年間、或いは7年間の学生生活において、多くの先生や友人と出会いました。本校の恵まれた環境の中で、それぞれの専門分野での実践的な知識や技術の習得に努力と研鑽を積まれました。勉学や研究ばかりでなく、クラブ活動にも熱心に取り組み、高専祭、クラスマッチ、ロボコンやプロコン、プレコンなどにも挑戦しました。
引き続き、身近なところから課題解決にチャレンジし、学び続けてください。

さて、今年1月の能登半島地震では多くの方々が被害に遭われました。心からのお見舞いを申し上げます。
東日本大震災のときには、東北のある高専で停電にもかかわらず、ソーラーパネルを駆使してメールサーバ等を起動し外部との連絡手段をいち早く確立され、感動しました。 能登半島地震においても、技術の力で敏速に測量を行うなど技術の重要性が再認識されました。
皆さんは、将来エンジニアとして、技術の力で災害を予防したり影響を軽減したり、多くの方々の生活をささえることが可能です。
本田技研工業創立者の本田宗一郎氏は「チャレンジしての失敗を恐れるな。何もしないことを恐れろ。」とおっしゃっています。
是非、いろいろなことにチャレンジして、身の回りの人々、世界の人々のささえとなっていただくことを期待しております。

二つ目は、グローバルマインドとDXマインドを持ってほしいということです。
本校では多くの学生が海外留学、留学生との交流などを経験しています。
このような経験を通じたグローバルマインドはエンジニアにとって必須のものとなっています。
また、デジタル技術を活用した工夫であるデジタルトランスフォーメーション DXマインドもエンジニアにとって必須のものとなっています。
多様な価値を認めあうグローバルマインド、デジタルを活用した工夫を意識したDXマインドを持って、今後とも活躍してくれることを期待しています。

三つ目は、いろいろな人に相談したり頼ることをためらわないでほしいということです。
高専生は何でもできてしまうので、自分ですべてをやってしまう傾向があります。 自分でやった方が早くても、長い目でみればチームでやった方が広がりができてよいことが多いと思います。
また、まずいことほどすぐに報告するようにしてください。
報告が遅れるほど対応が遅れ致命的になるためです。
2,3年は、上司や先輩の考えが自分の考えと違っても、現在の自分には思いが及ばない理由があるかもしれないので、従うようにしてください。
それでも違うと思う場合には、自分が上司や先輩の立場になったときにより良い方法を実践してください。

皆さんは今後、仕事や研究に携わる中で、壁に突き当たることや挫けそうになることもあるかもしれません。
仕事や人間関係で悩むのは、自分だけでなくほぼ全員が経験することです。
大切なことは、自分一人で悩まないことです。
周りの人に助けを求めることをためらわないでください。
宇部高専は、これからも皆さんを見守り続けます。

終わりにあたって、ご来賓の皆様に重ねて厚くお礼申し上げますとともに、今後とも本校卒業生・修了生の前途を温かく見守っていただき、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


令和6年3月21日
宇部工業高等専門学校 校長 金寺登


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