独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校

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創立60周年記念式典式辞

shikiji20190403

本日ここに多数の御来賓の皆様にご臨席いただき、宇部工業高等専門学校創立60周年記念式典を執り行うことができますことを、学校を代表し、心から御礼申し上げます。
また、本校の歴史を築き、伝統を継承し、その後も長年にわたりご支援いただいております同窓生の皆様、歴代の教職員の皆様と、本日、ともにお祝いできますことは、本校の教職員、学生にとりまして大きな喜びであり、深く感謝申し上げます。

宇部工業高等専門学校は、昭和37年、高専制度の制定とともに、国立工業高等専門学校の一期校12校の一つとして創設されました。その前年には、国立宇部工業短期大学が現在の高専の地に開学しており、校長はじめ教員は高専と短大を併任し、校舎も山口大学の施設を借り受けての慌ただしい船出であったと記録にあります。創設に携わった先人の熱意と努力にただただ敬服するばかりです。

開学当初は、機械工学科2クラス、電気工学科1クラスが設置され、初年度の志願倍率は14倍を超える順調なスタートでした。創設から4年後の昭和41年、宇部工業短大が廃止され、同時に本校に工業化学科が増設されたことにより、創設期の3学科4クラスの体制が整いました。

高度成長期において、日本のものづくり技術を支える実践的技術者の育成を使命として創設された高等専門学校は、中学卒業後から専門科目を学び始める早期教育と、実験・実習を重視し、体系的に実践力・創造力を養うカリキュラムによる5年間の一貫教育を大きな特徴としています。
高校から大学へと進学する一般的な教育体系とは異なるこの技術者養成のシステムは、大学進学が一般的となった現在においても、産業界・教育界から高く評価されています。これまで本校では、約9千名に及ぶ卒業生が優れた技術者、研究者、経営者として日本のみならず世界中で活躍しているという実績は、その証左でもあります。

そして、本校の60年にわたる歴史は、卒業生を送り出す社会の要請に対して、また、入学する学生やその保護者の期待に対して、宇部高専としてどのように応えてきたかを示す、関係者の努力の過程でもあります。 昭和63年には制御情報工学科が、平成4年には経営情報学科が設置され、本校は成長を続けます。そして、平成9年には専攻科の生産システム工学専攻及び物質工学専攻が設置され、更に平成17年には経営情報工学専攻が加わり、現在の本科5学科、専攻科3専攻に至りました。
教育内容に関しても、これまで様々な改革が進められてきました。近年の動きとしましては、短期留学やインターンシップの促進、地域の課題を解決する学外活動や学科学年横断型のプロジェクト学習の導入、授業全般での英語の活用推進、デジタル人材育成のための科目の充実など、学生が幅広い知識と実践力を備えて主体的に課題を解決できるようになるための取組みを進めています。また、進学を希望する学生の増加に対応し、多様な進路の選択肢が提供できるよう、国立大学との連携も進めてまいりました。

一方で、宇部高専の歴史は、地域に支えられ、地域に貢献してきた歴史でもあります。創設にあたっては、本校の高等教育機関としての役割に対する地域の大きな期待を背景に、国や山口大学のみならず、宇部市や山口県からも人的・物的両面での全面的な御支援をいただきました。以来60年の長きにわたり、本校はその期待に応え、地域に輩出した卒業生は、優れた技術者・経営者として、地域経済の活性化に大いに寄与してきました。
平成13年には、これら本校の卒業生が活躍する企業を中心に、産学連携の地域振興会である「宇部高専テックアンドビジネス」が発足し、本校との研究交流活動が続けられています。
また、教育面においても、宇部市や山口大学などと連携し、各種イベントやコンテスト、公開講座の開催、小中学校での出前授業など、特に地域の理工系人材の育成に継続して取り組んでいます。
そして、多くが地元出身者である本校の学生を実践力・創造力を備えた優れた技術者として社会に送り出すことこそ、本校の最大の使命であり、教職員が学生ひとり一人と真摯に向き合いながら、それを実現すべく日々努力を続けています。

宇部高専は、創設以来、多くの関係者の力強いご支援を得て、今日まで発展を遂げることができました。これまでのご厚情に改めて感謝申し上げます。

現在、科学技術の急激な進展により社会構造が大きく変化しつつある中で、宇部高専は、これからも、社会の要請、地域の要請に絶えず耳を傾け、地域と共に歩んでまいります。
そして、引き続き、公的機関、教育研究機関、地域の企業の皆様と連携を深め、関係の皆様のご理解をいただきながら、本校として更なる成長を続けていく所存です。

今後とも皆様方のより一層の御支援・御協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の式辞といたします。

令和4年10月15日
宇部工業高等専門学校 校長 山川 昌男

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