
本日ここに入学式を執り行い、本科生208名、留学生4名、専攻科生23名、あわせて235名の新入生をお迎えできますことは、私共の大きな喜びです。入学生の皆様、保護者の皆様、教職員一同を代表して、心より歓迎いたします。
宇部高専は、国立高専の1期校の一つとして、今から62年前に創設され、これまでに9,000人を超える卒業生を社会に送り出してきました。就職・進学先の企業や大学からは高い評価を受けており、多くの優れた卒業生が日本のみならず世界を舞台に活躍しています。多くの卒業生が活躍している原動力は、理論と実験・実習を有機的に学習していることにあると考えています。
宇部高専では5年間もしくは7年間かけて、座学だけでなく実験・実習にも多くの学習時間をかけています。宇部高専では、受験勉強ではなく、皆さんが選択された分野について、日々の課題をこなしていけば自然と実力が付くようにカリキュラムが設計されています。その結果、希望の就職や進学につながり、進路先で高い評価を受けています。そのためにも日々の課題をこつこつとこなしていくことが重要であることを忘れないで下さい。
さらに宇部高専では、地域学習やプロジェクト学習に多くの学習時間を当てています。
このようなカリキュラムは高専の中でも先進的なものです。皆さんの小さな気づきが社会をほんの少し良くできるかもしれません。エンジニアには、無限の可能性があります。これからも身の回りの人が幸せ、便利になるように心がけ、気づきを大切にしてください。
このようなカリキュラムによって、本校の教育理念にも掲げられている「創造的目標に対して常に向上心をもって、果敢に粘り強く努力を傾注できる人材」の育成を目指しています。
また、本校の教育理念の最初に「温かい人間性と豊かな国際性を備える」ことを掲げています。そのために、課外活動や国際交流にも注力しています。課外活動では、クラブ活動ばかりでなく、クラスマッチと呼んでいる体育祭や高専祭などの行事、ロボコン、プロコンを始め各種コンテストもあります。これらの活動にも積極的に参加してください。これら様々な経験を経て温かい人間性が形成されることを願っています。
本校は、国際交流にも力を入れています。令和6年度には105名の学生が海外研修を経験しています。皆さんも是非チャレンジしてみてください。海外に行けなくとも留学生等との交流の機会もありますので、国際交流活動に是非参加してください。
そして、専攻科の新入生23名の皆さん。専攻科の皆さんには、本科で培った基礎学力を基に、より高度で幅広い知識と技術を備えた技術者・研究者となることを期待しております。
最後になりますが、保護者の皆様。新入生は、これから多感な時期を迎え、様々な悩みを抱えながら成長していきます。そのためには、ご家庭において温かく見守り、励ましていただくことが必要です。皆様の御理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。
新入生の皆さんの宇部高専での学校生活が、心身ともに充実した実りあるものになることを願い、お祝いと歓迎の挨拶といたします。
令和7年4月2日
宇部工業高等専門学校 校長 金寺 登